外国人にとって優しい日本語
- Ngoc
- 2019年6月23日
- 読了時間: 3分
外国人に話していると、「普通に」日本語が通じないと感じることが多いでしょう。 あるいは、本当に通じるかどうかを確かめる前に、発音の訛りで外国人であることがわかり、「普通の日本語じゃあ通じないんだろうな」と日本人が勝手に思い立ってしまうことも多いかもしれない。
そうすると、心優しい日本人は「では外国人にわかりやすくしてあげましょう」と考えます。その結果、会話を「英語」に切り替えることになります。
が、このロジックはいくつか引っかかりがあります。
一つ、外国人はみんな「英語が上手い」わけではありません。
よく考えてみると当たり前かもしれませんが、外国人もいろんな国からきている人で、全員が英語圏からきているわけではありません。となると、外国人にとって英語も日本人と同様の「外国語」であり、中ではすごく上手な人もいれば、ほとんどしゃべれない人もいます。
(英語が下手なのは日本人だけというわけではありませんよ。決して。)

もう一つ、日本人が「英語を話すつもり」でいても実際に話しているのは英語ではないことが多い。本当に英語が上手い日本人ならちゃんとした英語になりますが、お店のレジ係とか八百屋のおばあちゃんおじいちゃんとかで英語が上手い人が少ないでしょう。
八百屋のおばあちゃんが親切に
「このほうれんそう100円です。えーと、100円じゃあ通じないか。ワン・ハンドレッドです。ワン・ハンドレッドってわかりますか?ワンハンドレッド円。ワンハンドレッドだよ!」
そのやさしさの連発に戸惑う外国人の顔を見ると、おばあちゃんがさらに焦ります。。。
まず、(本当に英語が上手い日本人なら言う必要がありませんが)、それほど英語が上手くない日本人が言える英語の単語(ワン・ハンドレッドのレベル)なら、それほど日本語が上手くない外国人でもわかるはず(ひゃくえん)。それに、そもそも英語のつもりが実際は「日本語の長い文書の中に混ざっているカタカナ語」になってしまうことが多く、わかりやすくなりどころかさらにわかりにくくなるだけです。
それならば、普通の日本語を少しゆっくり目に、丁寧に話してもらった方がよほどわかりやすいです。
「ひゃくえんです」
それでもわからないなら、レジの表示画面を指して見せたり、紙に100という数値を書いたり見せれば、誰もが100円を取り出して払うのでしょう。
そうです。外国人にやさしいのは、無理やり英語にしたりするのではなく、
「日本語でゆっくり丁寧に説明する」
「図や絵などを使ってビジュアルに見せて説明する」
ということに気を使った方が、通じるのです。
まったく同じことを、仕事の現場指導にも言えます。
仕事のマニュアル、手順説明等を英語にする必要はまったくなく、普通の日本語で良いのです。
・外国人にやさしい日本語にしたいなら、例えば難しい漢字に振り仮名を振ってください。それをもって外国人も辞書を引いたりして日本語を覚えて上手になるための題材になります。
・しっかり理解してもらうためには
(1)具体的に細かく手順を説明する
(2)図示する
(3)理解度を確認する
(4)説明を繰り返す
こういうことをやると良いのでしょう。
このような感じの図を作って、現場のあちことに張り紙でもしてあげると良いのでしょう。

この記事で使ったイラストはこの本から
「教える技術」外国人と働く編。
2019/5/24発売したばかりの書籍。外国人を部下に持った時にどうやって仕事を教えるか、結構わかりやすく的確に解説されていると思います。
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